幼児に関する社会問題

幼児に関する社会問題は、植物の栽培に似ています。植物の苗が芽を吹き出したときは、その新鮮さでわたしらを感激させますが、わたしらはこの苗が深く根ざす抜きにくい強い根を持っていることをやがて悟るでしょう。その根がそこで四方八方に遠く伸びて迷宮のように錯綜していることがわかるためには、それを掘ることです。深く掘ることです。それを根こぎにするのなら、土をすっかり取り除く必要があるでしょう。

根と言ったのは、人間の歴史の中で無意識に作用するものの象徴です。子どもを理解し、子どもの心を直観的に捕らえることを妨げるのは、人間思想に含まれている限りなく多くの頑固な融通の利かない先入見で、まずそれを取り除くことが問題です。
出典:マリア・モンテッソーリ「幼児の秘密」