梶山モンテッソーリスクールでは、お仕事(モンテッソーリ教具を使った活動)を毎日たっぷり2時間~2時間半行います。その後は、曜日別の全体の活動をしてから、園庭でのお外遊びの時間です。子ども達は鬼ごっこや、砂遊び、登り棒に雲梯や鉄棒など行う子もいれば、畑の活動を行う子もいます。
今日は、新学期が始まってからの、畑の様子を紹介します。春の畑の活動は盛りだくさんで、ご紹介も長めとなりますが、畑の活動の様子をゆっくりとご覧ください。
春休み明け、梶山モンテッソーリスクールの小さな畑とその周りは、花が咲きほこり、登園してくる子ども達を待ちわびているかのようでした。
4月
最初に畑に来た子どもから、花が咲いている野菜は、「全部、菜の花?」と聞かれました。春休みの間、畑はお花畑になっていて、一緒に見ていくと菜の花、ブロッコリー、芽キャベツ、大根とあり、花が全部似ていることに気づきました。
楽しみにしていたスイカときゅうりの種をまきをし、伸び放題だった野菜の収穫をしました。絹さや、春菊、小松菜が採れました。その後、長い間収穫したブロッコリーや失敗に終わった芽キャベツなど、花になった株を抜いて畑の肥やしになるよう埋めました。そして、そら豆の支柱を刺し、大きなアブラムシがついているのを観察しながら、摘心しました。種まきや収穫は子どもたちがやってくれます。里芋はここに植えたいと伝えると、「ぼくやる」と言って、スコップで掘って、里芋を植えて、ジョウロで水をあげる子がいました。先生が肥料を取りに行っている間に全べて終わっているので、びっくりしてしまいました。
子どもたちは「ミントをとるんだ」と言って、どの子も1枚1枚葉っぱを重ねて綺麗に採っているのが印象的でした。時間切れで、ブロッコリーの穴が途中になってしまったら、先生に「最後やって下さい」と伝えてくれたり、収穫したかごの中を仕分けして整えてくれたり、新しい学年になり、さらに成長しているのを感じることができました。
土を掘り起こしていると、ミミズや幼虫、蟻などが出てきて、そのたび、子どもたちは集まって触ったり観察したりしていました。幼虫が土に潜っていくのは面白いようです。マルチを張った畝に種から育てたミニトマトを植え付けました。子どもたちはプランターから苗を移植しました。赤組(年少)さんも青黄(年長)さんを真似してできていました。赤しその種まきは先生が道具を取りに行っている間に、1列あっという間に終わっていました。
人参を間引きしようと思いましたが、抜いていいものとそのまま残して置くものとを見分けるのは難しく、潔く全部収穫しました。小さい人参でも子どもたちは楽しそうです。畑の中には3箇所に分かれて人参が植えてあったのですが、先生が言わずとも、自分たちで見つけて、綺麗に採ってくれました。春菊の収穫もできました。青組(年長)さんが桃組(年少さんの一つ下の学年)さんに畑を案内していました。春菊のとり方を教えたり、そら豆の説明をしたりしていました。桃組さんはよく聞いていました。
他にも、ひょうたん、ヘチマ、ワイルドストロベリー、オクラ、ひまわり、サニーレタス、ねぎ、マリーゴールドを、ICさん用のプランターにパセリ、イタリアンパセリをまきました。苗植えはナス、ピーマン、きゅうり、メロンです。種まきは、ねぎ、サニーレタス、かぼちゃ、ルッコラ、かぶも加わり、本当ににぎやかな畑です。
上を向いていたそら豆が重くなりだんだん下がってきました。収穫まであとちょっとです。子どもたちは「そら豆とろうよ」と早く収穫したいようです。
畑の隅に白と紫のキレイな花が咲きました。子どもが「これはなんの花?」と茎をたどって根元を見ると「大根だ!」。大根とわかると「抜きたい!」となりましたが、種ができるのを見てから抜くことに。もうちょっとがまんです。
赤組(年少)さんは玉ねぎの葉が気になるようで、しばらく触っていました。葉が空洞になっていて押すと凹みます。その感触を楽しんでいるようでした。
5月
綿花の種は、濡れた脱脂綿の上に1日置いたものを用意すると、子どもたちの興味を惹いて、たくさん種まきしてくれました。種まきの後、「ぼく、お水やる」と言って、自分から水やりをしてくれる子もいました。
プランターのパセリを畑に移植しました。子どもたちがそれぞれのスコップでパセリを掘り起こし、移植してくれました。植え付けはまだ難しいですが、根っこをしっかり付けて移植できています。年上の子は年下の子の良いお手本です。
虫がたくさん出てくる季節になりました。モンシロチョウ、ミミズ、ダンゴムシ、アリ、アゲハチョウ…。
弱ったアゲハチョウをみんなで観察したり、葉っぱのお布団をかけてあげたり、自然からの教材です。
雨がパラパラ降った時もありましたが、子どもたちはそれぞれに雨宿りの場所を見つけていました。
種まきは、朝顔、ひょうたん、ヘチマができました。苗植えは、プランターで種から育てたししとう、なす、ピーマン、きゅうり、スイカを植えました。
きゅうりやミニトマトが小さく実がついてきました。「とれるのはいつ?」と子どもたちは、楽しみにしています。きゅうりは雄花や雌花の違いについて観察しました。
小松菜は病気になった葉を見つけて取り除きました。大きくなり過ぎた小松菜が、文鳥には硬いらしいと聞くと子どもたちは、新芽の柔らかい葉を文鳥のためにとっていました。
玉ねぎは倒れたのを収穫できました。小さいですが、黄色い玉ねぎが60個以上と赤玉ねぎが40個以上とれました。子どもたちと数えて、だいたい100個くらいだねと先生が大まかな数を言ったら、子どもに「117個だよ」と教えられました。その後、玉ねぎの取り残しも入れて、とにかく小さい玉ねぎがたくさんとれました。玉ねぎのカゴを誰が持つかで、子どもたちでいろいろ意見が出ましたが、最後は2人ずつ協力して持てました。そら豆も収穫できました。
小松菜では、1,2,3,4と数えながら、小さな種を丁寧にまいている子がいました。基本に忠実で作業が丁寧です。
そして、5月に新しくスクールに仲間入りした文鳥さん。
在園児にお名前を募集すると、たくさん考えてくれました。
贈ってくださった卒業生にその中から選んで貰い、決まりました。
命名「ぴぃちゃん」です!
朝、子ども達が登園すると、何とも可愛らしい声で、「ぴぴぴぴ」と囀ります。おはよう!まってたよ!こっちに来て!今日も元気だね!とたくさん子ども達に声をかけてくれているようです。
子ども達も、「ぴぃちゃんおはよう!」とあいさつしたり、「先生!ぴぃちゃんの餌がこぼれているよ、お水の中に何か入っているよ」と、様子を教えてくれます。
5月の終わり、南のお庭にある梅の木に、大きな実がたくさん生りました。収穫をして子ども達と梅シロップを作りました。子ども達は徐々にシロップが上がっていく様子を見ながら、完成を楽しみにしている毎日です。
感覚教育に「葉の箪笥」という14種類の葉っぱの形を知る教具があります。それらを知った子は、外に出ると葉っぱの形を観察して、集める様子も見られます。
畑のみならず、虫や、野鳥も子ども達の身近に感じられる梶山の自然環境は、子ども達の成長に大きく貢献してくれています。